キャリアチェンジプロジェクト ポータブルスキル活用のヒント

ポータブルスキルの活用で 50代の転職支援に連続成功

ポータブルスキルの活用で
50代の転職支援に連続成功

【導入事例】株式会社キャリアデザインセンター

株式会社キャリアデザインセンターでは、2016年1月~3月にポータブルスキルの研修や研修動画を社内展開しました。その後、ミドル層の転職支援が立て続けに成功しています。これまで20~30代の若年層を中心に支援に力を入れていた同社で、50代の転職成功事例が出てきたポイントはどこにあるのか。同社コンサルタントの網代勇太氏、武藤卓麻氏にお話を伺いました。

株式会社キャリアデザインセンターでは、2016年1月~3月にポータブルスキルの研修や研修動画を社内展開しました。その後、ミドル層の転職支援が立て続けに成功しています。これまで20~30代の若年層を中心に支援に力を入れていた同社で、50代の転職成功事例が出てきたポイントはどこにあるのか。同社コンサルタントの網代勇太氏、武藤卓麻氏にお話を伺いました。

今回、立て続けに50代の転職が成功したとのことですが、どのような点が成功のポイントだったのでしょうか。
まずはコンサルタントの網代さんの事例から教えてください。

株式会社キャリアデザインセンター 網代 勇太 氏

株式会社キャリアデザインセンター
網代 勇太 氏

網代 氏 :
まず1つ背景として、2016年1~3月にポータブルスキル活用の研修を実施して以降、20~30代だけでなくミドル層のご支援にも力を入れていこうという機運が社内で高まっていたことが大きいと思います。これまであまりターゲットとしていなかったミドルの求職者に、アドバイザーや登録窓口担当者など皆が目を向けるようになっていたからこそ、今回私がご支援した51歳の求職者があがってきたのです。

この方は51歳のクリエイティブディレクターで、マスメディアを軸にプロモーションを展開するプロダクションにお勤めの執行役員でした。これまでの経験を生かしつつ、今後はWEBに軸足を移し、より現場に近いところで挑戦したいという思いをお持ちでした。

しかし、50歳以上の方を対象としたWEB系プロモーションの案件など、そうありません。ご本人にもマーケットの厳しさをお伝えした上で、案件探しの段階から企業側にレジュメを提示することに了承いただき、我々のほうで企業を探しました。

ご本人のお話を伺っていると、50代で執行役員クラスにも関わらず、「新しい環境に合わせてゼロから学び、挑戦します」ととても謙虚で、環境適応力の高さが感じられました。また、進化の早いWEBの技術や最先端のプロモーション手法など、新しい情報にも感度が高く、日々勉強を続けておられることも分かりました。これらの点は、案件拡大やさらなる成長を目指すような企業ニーズに合致するのではと考え、WEB動画マーケティングのベンチャー企業の案件をご紹介しました。企業側は当初、50代の執行役員クラスということで及び腰でした。しかし、プロモーションの専門スキルはもとより、適応力や最新情報の収集力といったご本人の持つポータブルスキルがきっと企業成長に寄与するとご説明したところ、面接していただけることになりました。

面接では、上述のようなスキルが評価されたことに加え、実は同社では社内のプロデューサーやディレクターをまとめるリーダー層が不足しており、こうした若手のディレクター・プロデューサーたちの育成を担うリーダーの役割も期待された結果、成約に至りました。年収は1,700万円から1,000万円減額となりましたが、ご本人も企業側も納得感の高い転職となりました。

武藤さんの事例はどのような内容でしたか。

株式会社キャリアデザインセンター 武藤 卓麻 氏

株式会社キャリアデザインセンター
武藤 卓麻 氏

武藤 氏:
55歳のプロジェクトマネジャーの方の事例です。担当のキャリアアドバイザーからの情報では、大学の物理学部を卒業後、1社のシンクタンクでプラント建設、製造、金融など様々な業界の大型プロジェクトを数多く手掛けてきた方で、今後はもっと面白い最新技術に触れられるような仕事に転職して挑戦していきたいという思いから一念発起されたということでした。

そこで、地理空間情報サービスを提供する企業を訪問し、衛星のコントロール・運用を行う衛星事業部にご提案しました。ところがレジュメを見てすぐ、年齢的に厳しいというお返事。そこで改めて、その場に衛星事業部の事業部長も同席されていたので、組織課題や今後の方針など“コト軸”でヒアリングしてみました。すると、20~30代のマネジャーが欲しいという希望でしたが、現状の組織は30~40代がメインであることがわかりました。また、複数のプロジェクトが並行で走っているが、それらを全体的にマネジメントできていない課題も見えてきました。さらに、官公庁が主要顧客であるプロジェクトが多く、交渉の難度が高いことも分かりました。

そこで改めて、求職者が複数プロジェクトを管理してきた実績や、プラント建設をはじめ官公庁相手の大規模プロジェクトでハードな交渉をこなしてきた経験があることを伝え、面接に進めていただけることになりました。また、企業側のご担当者は、衛星事業というまったく異業種の技術や情報を55歳からキャッチアップできるのかという点も懸念されていましたが、これまでも原子力、製造、金融とまったく異なる業界で一から勉強し直してやってきていることを評価され、採用が決まりました。

いずれの事例も、企業側が年齢を理由に最初は見送ろうとした考えを変更させていますね。どういうところが変更のポイントだったのでしょうか。

武藤 氏:
私の担当しているIT業界では、「専門スキル」しか見ない企業が多いです。しかし、先の例のように、社外交渉力や適応力といったITの専門スキル以外のポータブルスキルにも目を向けるように提案することで、気づきを与えることにつながっているのかなと思います。私自身、ポータブルスキル研修を受けてから、「ミドル層の転職は難しい」という先入観がなくなったことが大きいですね。

網代 氏:
私も研修で、その人の持つスキルと企業が求めていることを見極め、しっかり言語化して提案できれば、ミドル層も成約につなげられると分かったことが、今回の成功にも結び付いていると思います。

今後、ポータブルスキルをどのように活用していきたいですか。

武藤 氏:
今回はうまくいったほうだと思います。まだまだポータブルスキルを使いこなして、ミドルの転職支援を十分にできているわけではないので、今後も挑戦を続け、感覚をしっかり身につけていきたいです。

網代 氏:
人材業界でも今後テクノロジー化が進んでいきます。AIがマッチング支援することはもちろん、ロボットがアドバイザーとなる未来もあるかもしれません。また、企業側でもダイレクトリクルーティングを促進する動きもあり、人材紹介業として何を提供できるのかを考える必要が出てきます。人が直接介在しないと測りえないようなことをきちんと把握し提案活動を行い、人でしか実現できないようなご支援を心がけていきたいと思います。そのために、ポータブルスキルは欠かせません。営業とキャリアアドバイザーの両方が同じ価値観の下で、人が介在するからこそ提供できる価値を生み出し、それが会社や社会への価値提供となっていけば嬉しいです。少なくとも、自分はそういう価値観の営業マンでいたいと思います。

網代 勇太 氏
株式会社キャリアデザインセンター
人材紹介事業部 クライアントサービス局 課長
2009年、株式会社キャリアデザインセンター入社。その後、広告メディア営業を経て、人材紹介事業部へ異動。法人担当営業として、新規領域の転職支援サービス立ち上げに関わり、その後広告・メディア業界担当の営業として、取引実績のなかった企業様の新規開拓から採用支援の実績を積み重ね、数多くの表彰を受賞。現在は広告・メディア業界担当の課長として、企業・候補者双方の支援を実現している。
武藤 卓麻 氏
株式会社キャリアデザインセンター
人材紹介事業部 クライアントサービス局 主任
2012年、株式会社キャリアデザインセンター入社。その後、広告営業を経て、人材紹介事業部に異動。法人担当営業として、IT業界の企業を対象に活動。大手SIerや外資系ベンダーを中心に100名以上の決定に携わる。