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コラム

キャリア形成支援プロジェクト インタビューコラム この人に聞く 「キャリア」の話

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「キャリア形成」や「キャリア」という言葉は、広く使われていますが、その意味や「キャリア形成」支援の必要性やあり方は、働く側から見るとわかり難いという声もあります。そこで今回は、中央大学大学院戦略経営研究科の佐藤教授に、キャリア形成とは何か、その必要性や社会背景などお聞きしました。

「キャリア」「キャリア形成」とは何かを教えてください。

「キャリア」とは、もともとの意味は車輪の跡、“轍(わだち)”とか“軌跡”なんです。そこから“仕事の経験”という意味で使われるようになり、最近では“過去の経験も踏まえた、将来への道筋”という使われ方が一般的になっています。
そして「キャリア形成」とは、「将来こういう仕事に就きたい。そこにたどり着くための道筋」ということです。
例えば、派遣社員の方が、将来の仕事に関する希望をどうしたら実現できるのか、派遣元や派遣先がどのような支援をしていくのか、また自らがどのような経験やスキルを身に着けていけば実現できるのかという“道筋”のことです。

 

派遣や請負など正社員以外の雇用形態で働く方々にとって、キャリア形成が重要なのはなぜですか?

派遣や請負の場合、受け入れる企業にとってポイントは、その仕事をきちんとやるだけの能力があるかないか、わかり易く言うと「今、その仕事ができるか、できないか」が重要です。もちろん、途中で業務が変更になったら、仕事をする上で必要な知識とかスキルの支援はしてくれるでしょう。
しかし、その方の2年後、3年後がどうなのかは関心がありません。受け入れ企業は、雇用主ではないですし、3年後その会社にいてくれるかどうかもわからない。

そういう中で、派遣や請負で働く方の場合、自らの仕事に関する希望をどう実現していくかを自らの意思で決めていくことが重要になってきます。そしてキャリアの希望を派遣元や雇用主に伝え支援を引き出し、希望するキャリアを自分で獲得するようにしていかなければなりません。まずは働く側から働きかけていくことが重要だということを認識しなければいけないのです。

キャリアを形成するうえで、能力評価の重要性を教えてください。

キャリア形成では、まず「現状把握」が出発点になります。現在どのような能力がどの程度あるのかを把握(能力評価)し、そのうえで、将来の仕事に関する希望を実現するために足りない能力は何で、どのように補っていくのか、経験で補うのか学習で補うのかなどを考え、仕事に関する希望に向けた取り組みを決めていくのです。
さらに、能力評価と能力向上の取り組みを繰り返し行うことで、ここまで出来たという達成感を得られ、次の取り組みに向けて自信になったり、モチベーションに繋がっていきます

 

 

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