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目先の利益だけを追う姿勢は、お客様に見透かされ、そっぽを向かれてしまう。 大切なことは、『載せてもらう』ことではなく、その先の『お客様の満足』に繋げる努力を本気ですること。

2016.02.29

これまでのやり方を打破し、新たな手法に挑戦し結果を残せたエピソード

入社して5年4ヶ月、年々お客様の笑顔を見る機会が少なくなっていました。

その原因は、「求人誌(WEB)に掲載してもお客様が期待するような広告反応がなかなか出ない…」「以前のように数名の応募者の中から自社に見合った人材を選ぶどころか、応募の数そのものが極端に少なくなった…」私たちの求人市場である山口県は、毎年2万人近い人口減少が続いており、中国5県の中でも一番多く、働き手である若者が都市圏へ流出しています。確実に労働力人口が減り、少子高齢化の波が押し寄せてきている、そのような背景があります。

また時給を精一杯上げても人が集まらない飲食店様、以前は一定の応募が確保出来ていたコンビニ店舗様も応募の数そのものが減少と、昔ほどの媒体効果が見込めなくなっています。一部のお客様では「どこに出してもどうせ集まらない…」という求人疲れのような雰囲気も感じます。手前味噌な話ですが、山口県内トップのシェア・掲載件数で、幅広い層に人気の媒体を出版している会社でありながらこの現状です。お客様に「お金を無駄に使いたくない」「求人誌ってギャンブルだよね」。残念ながら、そういう言葉を聞く機会が増えてきました。

3年前、売上目標に誰よりも早く達すること、そして更なる売上貢献をすることに営業マンとしての宿命・価値を置いていた私は必死に営業をしていました。またその成果も出ていました。
「周辺の同業さんでは求職者が動いている良い事例があるので今の時期がお勧めです!掲載しませんか?」「お得な割引プランがあるので、これで求人費用(単価)を抑えませんか?お得なので掲載しませんか?」など、お客様の置かれた状況・採用課題にそれ程深く寄り添うことなく、求人環境の変化にも鈍感なまま、『マニュアル通りの営業』をしていました。

そんな中、あるお客様に「前田君の営業マンとしての頑張りはすごく分かるし伝わる。でも頑張っているのは口だけだよね…営業マンだから数字上げないといけないと思うけど、本当に僕のこと、うちのお店のこと、考えてくれてる?」その言葉を聞いた時にハッとした自分がいました。

私は自分の目標を達成する為としか、お客様のことを深く考えていなかったのです。私を信用して商品を信用して、求人誌を利用されている…というのは私の『自己満足』に過ぎないのでは…?そのことに気がつきたいへん後悔~反省をしました。

その後、私は営業マンとしての考え方を改め、お客様の課題に寄り添った、“オーダーメイドの提案”が出来る様に意識・勉強しました。私は県内でも特に反応が厳しい人口6万人規模のエリアを担当しているので、掲載するお客様の魅力やその仕事のやりがいを引き出す為のヒアリング重視の営業にシフトしました。担当エリアの総人口・年齢分布・男女比など、経済環境や人口動態を絡めて、“今動いている可能性のある求職者”をターゲットとして考え、お客様ごとの『特別な手作りの求人広告』を作ることに力を注ぎました。

今まで単にハローワークの求人票そのままの募集条件を出していた先には、1日のスケジュール(仕事の流れ)を聞きに行き、実際の作業風景を見せてもらい、現場のスタッフさんにインタビュー・写真撮影をしたり、採用された方に仕事の醍醐味を直接聞いたり…思い付いたことや考えたことを全て行動に移しました。時には、お客様とお話をすると、弊社の商品よりも有効と思える媒体や手段がある場合があります。

例えば、求人予算を充分にご用意できないお客様には思い切って、「お急ぎなら、大学の掲示板に求人を貼り出されたらどうですか?」「ハローワークは無料なのでぜひ活用してみて下さい」など。売込みの姿勢はグッと抑えて、「お客様の置かれた状況を第一優先」でお話しさせていただくようになりました。

また、お客様と採用についての考えが異なる場合には、遠慮してアドバイスを控えるのではなく、積極的に現状をお伝えしながら改善策を提案しています。

「このエリアは54.5%が40代以上でありドーナツ化現象で若者は県外に行く傾向にあるので、若者の採用は正直いって厳しいです。ちなみに、この仕事は年齢にこだわる必要もなさそうなので、どうか幅広い年齢層を視野には入れて欲しいと思ってます。その方が御社にとって良い方法だと私は考えます」「あるハンバーガーチェーンでは、積極的なシニア層の活用で成功されています。真面目に元気に働いていただけるシニア層のご採用…きっと御社にも当てはまると思いますよ」など。

このような営業は一見遠回りにも思え、反対の意見をお持ちの方もいるかもしれません。しかしあくまで、
『お客様を第一優先に』『お客様のことを真剣に』考えた末の提案なので、たとえ一時のご不満で離れていったお客様も戻ってきていただけるケーズも多々あります。理由を聞くと、「そこまで私たちの気持ちを考えて親身になる営業マンは他にはいないから…」「良いことも悪いことも、ここまで真剣に提案してくれる営業マンはいないから…」とのことです。

自分を変えようと思って走り続けて今振り返ると、お客様との関係性や広告反応面にも変化があり、多くとは言えないですが少しずつご満足いただける方が増え、「お客様の笑顔」にまた出会えるようになりました。結果的に、苦しい採用環境の中でも売上や掲載件数を比較すると以前よりもご愛顧先が増えてきました。そして嬉しいことに、当初の営業マンとしての自分の目標もクリアできていたのです!

そのエピソードで感じたこと、そのエピソードを通じて学んだことは何ですか?

今回の体験から私たちは、『常に変化し続けなければならない』と強く感じました。会社のマニュアルよりも早く、求職者を取り巻く環境は明日にでも一変するかもしれません。常にアンテナを張り情報収集に徹し、お客様とのヒアリングの中で、“オーダーメイドの提案” ”お客様それぞれの課題”に寄り添った営業ができるようにしておかなければなりません。

人材ビジネスで頑張る皆さんへー激励メッセージ

求人の環境は以前と比べて厳しくなっています。お客様の採用課題も年々深刻になりつつあります。全国的にも将来的にも、その傾向は続くでしょう。そのような環境の中、目先の利益だけ…を追っていては、きっとお客様に見透かされてしまいます。そっぽを向かれてしまいます。重要なのは、『載せてもらう』ことで終わりではなく、そこから先の『お客様に満足して頂く』こと。

そのためには、厳しい広告反応にも決して逃げずに向き合い、しっかり課題をヒアリングして、次の改善に繋げること。お客様には、『遠慮』せずに、求人市場の現状をお伝えして、次回に活かしていただくことが大事です。お客様のことを真剣に考えた『配慮』さえあれば、きっと熱意は通じます!そうすれば、お客様にとってオンリーワンの営業マンになれ、きっと『お客様の笑顔』に出会えますよ(^^)

前田 将法

(株)ビジネスアシスト求人情報部

2010年10月入社以来、山口県の求人誌「もってけ」の営業と原稿制作を担当。日々「求人誌」そして「営業マン」のあるべき姿を追い求めています。

更新日時:2016年02月

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