女性エンジニアのお子さんと接する機会に、仕事と家庭の両立の大変さを肌で感じた。 そして、ご本人の人生だけでなく、ご家族全員の人生を変えてしまう可能性がある。 その責任の重さに気付けた事が大きな転機となった。
人材ビジネス業界で働いてきて、心に残っているエピソードは?
3人のお子さんの母として、仕事と育児を両立している化学系の女性エンジニアに、育児休暇明けの派遣先を創出できたエピソードです。
彼女はほかのエンジニアとは違い、ご自身を取り巻く環境に以下の制約があります。
1、共働きのため、お子さんの学童保育への送り迎えがあり、就業時間の制限がありました。
2、就業時間を少しでも多く確保するために、家から近隣での就業を望まれていました。
3、メイテックの大阪エリアのお客さま先には化学系の業務は多くないため、選択肢に限りがありました。
配属に向けた転機は、2014年度の当社40周年記念誌制作のインタビューの時。
彼女に、お子さんを連れてEC(営業所)にお越しいただいた時です。普段は私たち営業担当者がお会いすることのない、大切なご家族を目の当たりにできたことは、私にとって大きな転機でした。
インタビュー中、私は別室でお子さん3人の相手をしていたのですが、ほんの数時間でも1日働くのと同じくらい疲れました。また、インタビュー終了後には、お子さんと対峙している姿から、母親としての一面を垣間見ることができました。以前よりその女性エンジニアが置かれている状況については知っていましたが、もしご本人の希望に沿う配属ができなければ、ご本人だけでなく、家族皆さんの人生まで変えてしまう可能性があります。この時、そんな責任感を肌で感じることができたのが、何よりの気付きでした。
その後、何とかご本人の望む業務を見つけたいと思い、過去に同業種で受注をいただいたことのある、近隣のお客さま先を再度見直してご提案にまわりました。そして、お会いしたお客さまの中で、「産前産後休暇・育児休暇取得者の交代が見つからずに困っている」とのお話を頂戴しました。そのお客さま先は、化学系エンジニアとしてキャリアップできる業務内容で、また機材や資料も豊富に揃っている環境です。育児休暇明けで仕事をもっと頑張りたいと話していた彼女の要望に、非常に合致していました。
唯一、就業時間および勤務地に本人の希望と相違がありました。下のお子さん二人の保育所への送り迎えがあることをお客さまへご説明申し上げ、時短勤務について理解をいただきました。彼女の不安を消すことができ、新しい職場へ機会と場を提供することができたことをうれしく感じています。
そのエピソードで感じたこと、そのエピソードを通じて学んだことは何ですか?
お子さんがいらっしゃることを知っているだけではなく、実際にお子さんにお会いして、仕事と育児の両立の大変さを実感できたことは、大きく違いました。点で物事をとらえがちですが、線あるいは面でものごとをとらえることで、ミスリードを防ぎ、ご本人にとっての最善の提案ができると感じています。
人材ビジネスで頑張る皆さんへー激励メッセージ
「反省はしなさい。でも後悔はしないほうがいいよ。」
メイテックに入社してから、上司や先輩からたくさんの素敵な言葉をかけていただきましたが、この言葉は特に印象に残っているアドバイスです。
失敗したり、迷ったりした時は気落ちするので、引きずってしまいがちではありますが、いただいたこの言葉を心掛けています。今後も営業職として成長するために、失敗して、たくさん反省していきたいと思っています。皆さまのとっておきの言葉の一つに加えていただければ幸甚です。
小棚 裕司(こだな ゆうじ)
2014年2月、メイテックにキャリア入社。EOコーディネーター(営業担当)として、エンジニアとお客さまへの価値を最大化し、エンジニアが成長できる機会と場を創出できるよう、業務推進しております。