人材ビジネス業界で働いてきて、心に残っているエピソードは?
弊社では外国人のエンジニアの採用を積極的に行っています。私は営業ですので、彼らの就業先を見つけてくることが仕事です。営業を行っている中で気づいた事は多くのお客様は、「日本の文化に合わないのではないか」「即戦力にならないのでは」「言語の壁がある」等を理由に挙げてあまり彼らを積極的に採用してはくれなかったという事です。
彼らは日本で一流のスキルを習得する為、遠く離れた国に家族をおいて一人身で日本に来てくれました。
中には結婚して子供が生まれて間もない人おり、相当な覚悟をもって来日を決断してくれたのだと思います。
一流メーカーではなく、ましてや現地では名も知られていない一派遣会社を選んでくれた彼らに何とかして活躍する機会を提供したいと思うようになり、待機期間中やお昼休みに積極的に話しをして彼らのスキルだけではなく、人間性をよく知った上で営業をしようと考えるようになりました。
そんな中、一つの会社に出会いました。そこの会社の担当者もはじめは他の会社と同じように言語の壁や、スキルの心配をしていました。商談中に「あぁ、またか…。」と心のなかで思ってしまいました。が、一か八か彼らがどんな思いで日本に来て、将来は何をしたいかについてお客さんに思いをぶつけてみたところ、かれらの思いに共感して頂き、「うちで育ててあげますよ。」と言って頂けました。そこで彼らはエンジニアとして今も働いています。
時々お客様のところに訪問して彼らの評価を聞いてきますが、やはり「日本語力はまだ満足できないね」だったり「スキルもまだ足りないね」などのマイナス評価がある中で、「でも他の日本人よりよっぽど前向きでひたむきに業務に取り組んでいる。その姿勢がとても好感がもてる。」と言って頂けた事がとても印象的でした。
そのエピソードで感じたこと、そのエピソードを通じて学んだことは何ですか?
お客様は受け入れ当初、スキルや言語の壁を懸念されていましたが、今では最も彼らの能力が生かせる仕事はなにかと考慮し、各個人の適性にマッチする仕事をさせて頂いています。
これは技術的なアウトプットが求められるエンジニア派遣業界ではあまり例のないことだと思います。
彼らの働き方や人間性の良さが、お客様の考えにも影響をあたえたのではないでしょうか。
一派遣社員としてではなく、ひとりの人間として彼らを見てくれる事をとてもうれしく感じました。
人材ビジネスで頑張る皆さんへー激励メッセージ
われわれの仕事はものを扱うのではなく、人ひとりの人生を扱うとても重みのある仕事です。
時には悔しい事やつらい事、逃げ出したい事があるかもしれませんが、人の人生に関わることができるのは
唯一この業界ならではのものだと思います。苦労の分だけやりがいも大きい仕事です。
冨田 健介
2014年新卒入社 東京支店でエンジニア派遣の営業や管理に従事