人材ビジネス業界で働いてきて、心に残っているエピソードは?
2011年、震災後の先行き不透明な景況感の中で、既存クライアントからの受注獲得が厳しい状況でした。
当時、私は6人のメンバーをまとめるマネージャーでしたが、上長から与えられたミッションは、新規クライアントの取引開拓でした。
当社では、どちらかというと既存顧客との関係が主体であり、新規営業について明確な「型」がなく、組織としての新規営業手法が確立されていないために成果があげられていませんでした。
そこで、まずはこれまでの営業活動によって新規取引に繋がったクライアントへの営業プロセスを分析すること、営業メンバーの新規営業に私も同席をすることを徹底して行いました。その結果、ある程度新規営業の成功の方程式が見えてきたのです。その方程式とは、「短期間に複数回、顧客への訪問を行うことによる求人獲得」です。派遣営業の本質は、顧客ニーズをタイミング良くキャッチすることなので、顧客が求人を出す際に、弊社の営業マンの顔を思い出して頂くことが必要だと考えていました。そこで、その仮説をもとに、訪問の頻度をあげてクライアントに印象付けることに重点をおいて実践に移しました。
すると、これまでより行動量が増えるので、他の業務に支障が出る、自分のやり方で営業活動をしたい、などメンバーの抵抗や疑問の声が出てきました。
予想していた反応であったので、決められた行動をできた営業マンが一番評価されるという仕組みつくりを同時に行い、メンバーと徹底的に話し合う場もつくりました。また、決められた行動プロセスを行っているメンバーを新規営業推進リーダーに任命し、メンバーからメンバーへの発信が増えるような組織づくりを行いました。さらに、この営業プロセスが成果に結びついているというデータも定期的に示すようにしました。
その結果、新規顧客からの受注が過去最高の伸び率となり、高い業績につながりました。これで確信を得たメンバーは、私が何も言わなくても、メンバー間でコミュニケーションを取りながらこの営業モデルを自然に実践、自走できる組織になったのです。
そのエピソードで感じたこと、そのエピソードを通じて学んだことは何ですか?
組織としての目標はシンプルにすることと、目標指標をモニタリングする仕組み作りが大切だと学びました。
私にとっても、組織の動かし方について学べた貴重な機会であり、ひとつの壁を越えて自信につながった出来事でした。
文句を言いながらもついてきてくれたメンバーに今でも感謝しています。
人材ビジネスで頑張る皆さんへー激励メッセージ
悩んだときは特に、「目の前の仕事を徹底的にやりきる」ということが大切だと考えています。
そうすることで自ずと悩む暇がなくなり、光が見えてくるものです。
色々と悩むよりまずやってみることが大切だと思います。
福知郁夫
2005年1月入社、2014年3月まで派遣営業に携わる
2015年4月に経営企画部へ異動、現職