2026年7月1日
民間人材サービスの業界団体からなる人材サービス産業協議会 (東京都港区、理事長:岩下順二郎、略称「JHR」)は、「短期・単発労働市場に関する調査研究報告書」を公表しましたのでお知らせします。
本報告書は、短期・単発ワークについて、求職者および求人者双方の調査をもとに、その実態、需給構造および課題を横断的に整理したものである。
調査研究の背景
テクノロジーの進化に伴い、人材サービスは多様化し、スキマ時間を活用した就業を仲介する「スポット・マッチング」と呼ばれる新たな形態が生まれている。
しかしながら、短期・単発的な労働形態そのものは古くから存在しており、働き方自体が新しいものではない。短期のパート・アルバイト、日々紹介されて働く日雇い労働者、日雇い派遣労働者など、これまでも多様な形態で仕事を探し、就労してきた。さらに近年では、雇用契約を結ばず業務委託契約で働く人々も増加し、いわゆるギグ・ワーカーとして国際的にも注目されている。
これらの短期・単発的な働き方は、主たる仕事を持つ人が副業として行う場合が多く、公的統計等では把握されにくい側面を持つ。その結果、いわゆるインフォーマルな労働市場を形成していると考えられる。インフォーマルな領域においては、労働法による保護が十分に及びにくく、課題があっても解決されないまま残るリスクがある。
こうした背景を踏まえ、人材サービス産業協議会は、短期・単発労働の実像をできる限り正確に把握することが不可欠であるとの認識に至った。
仲介形態や雇用・非雇用の違いを越えて、労働市場の全体像を横断的に調査する試みは、これまでに例の少ないものであると考えられる。
本調査では、短期・単発労働に関する実数、稼働時間、就業目的、業種・職種分布、顕在化している課題など、主要な項目を網羅的に把握することを目的として、求職者調査および求人者調査を、会員団体企業の協力のもと実施した。本調査および本報告書が、人材サービス業界はもとより、政府部門やアカデミア領域などにおいて広く活用され、健全な短期・単発労働市場の形成に向けた第一歩となることを期待したい。
エグゼクティブサマリー
- ●市場規模とその影響
- 2024年時点で、約604.7万人がこの働き方を経験。常用換算で約75.9万人分の労働投入量に相当するなど、労働市場において無視できない規模を持つ。また、実際に短期・単発ワークを行った人のうち92.7%が継続意向を示しており、供給面において高い継続性が確認された。
- ●本市場の特徴
- 求職者の副業的な参加を基盤としつつ、求人者の繁閑差対応や人手不足への対応として活用される補完的な労働市場である点が挙げられる。一方で、実務経験や資格を活かして働く者が47.0%を占めるなど、業種・職種の広がりや活用領域の広がりも確認された。
- ●需給構造
- 従来の「スキマ時間」と「一時的需要」の一致に加え、業務の細分化の進展およびデジタルによる即時マッチングと労務管理などの新サービスの登場により、短時間・短期間といったより細かな単位で需給が成立する方向へと変化している。
- ●運用面の課題
- 求職者の44.6%、求人者の75.7%が何らかのトラブルを経験しており、スキルや期待値の不一致など、マッチングの質に起因する課題が確認された。また、無断欠勤や直前キャンセルというトラブルの経験率も高い。
- ●労働時間問題
- 本業との総労働時間は、平均的では大きな問題は確認されなかったものの、年間労働時間が2,800時間を超える者が12.1%存在するなど、一部に長時間労働のリスクを有する層が確認されている。
「短期・単発労働市場に関する調査研究報告書」全文版(PDF)ダウンロード
調査結果報告書の全文は、当協議会WEBサイトからどなたでもダウンロードしてご覧いただけます。
(「短期・単発労働市場に関する調査研究報告書」全文版(PDF)ダウンロード)
本ニュースリリースの詳細はこちらのPDFをご参照ください。
■ 一般社団法人人材サービス産業協議会(JHR)について
当協議会は、国内の人材サービス関連業界 5 団体の横断・連携機関です。職業紹介、人材派遣、業務請負、求人広告などビジネスモデルの枠を超えて、雇用構造の変化や労働市場の新たな要請に対応し、労・使・社会のすべてにとって望ましい「健全かつ円滑な次世代労働市場の創造」を目指した取組みを推進しております。
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