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「戦略の良し悪しより、やり抜く力を期待」の言葉に気付かされたこと

2016.08.24

一番心に残っているエピソードは?

人材業界で6年目をむかえた頃、前職の人材派遣会社で福岡支社の拠点長に就任した当時のエピソードです。

それまでは派遣の営業担当や営業マネージャーとして、直接お客様と接する機会も多く、職場に適した人材が採用・定着された時の採用担当者からの感謝の声や、派遣スタッフの方にご本人の希望に副った働き方を提供できた時など、やりがいを感じるとともに、その中で売り上げを作り自身の会社に貢献できることに喜びを感じていました。

当時の福岡支社は30名のメンバーで、福岡県を中心に九州エリアで人材派遣や業務委託を行う拠点でした。同社では、拠点長が中期計画を視野に入れた次年度の支社方針や戦略を作り、経営陣にプレゼン、承認後拠点運営を行うという、「ユニット(拠点)経営」を実施していました。

それまでは、自身の担当顧客や自部門の営業戦略は立てていましたが、中長期の視点で、かつ福岡や九州エリアで「自社が何を目標に、どう取り組んでいくか」経営的な視点で考えたことはありませんでした。

困った私は、他地域の拠点長に考え方や意見を聞いてみました。各々から売り上げ拡大や利益増加など、エリア市場性をふまえた目標や戦略など伺うことができました。しかし、誰からも福岡や九州のマーケットについて意見はもらえません。

私はその答えやアイディアを求め、更に同業界の九州・福岡の支店長や経営者の方十数名にお会いし、意見を伺いました。

しかし驚くことに、お会いした方々でも、3~5年先福岡の派遣マーケットがどうなり、その中で自社が何を目指し、どう経営していくのか?明確な答えを持った方はいませんでした。

逆に、派遣法改正等に適正な対応をし続けることや、派遣という働き方への社会の認知を高めることなど、(私の所属会社がコンプライアンスを先進的に取り組んでいたこともあり)意見を求められるとともに、積極的に地域業界活動に参加してほしいと要請されました。

これらのことから、改めて「コンプライアンス」に高い水準で取り組めることが、他社と差別化に繋がり自社の強みとなっていることや、経営責任者は不透明な中でも、自ら仮説をたて経営戦略を立てる力が求められていることに気づきました。

その後、当時の顧客(企業と登録スタッフ)や自社の強みを分析し、マーケットの予測を加え、自分なりに考え抜いた仮説を元に戦略をたて、プレゼンの日をむかえました。結果、経営陣から無事承認を得ることができ、ほっとしつつ経営戦略会議を終えました。

 

会議後の懇親会で上司の執行役員に、「元来現場が好きでプレイングマネージャーのほうが向いている。拠点長は聞ける人がおらず大変だ。でも考えぬいた戦略が承認されて良かった」等、これまで感じた本音をぶつけました。

それに対し上司からは、

「人はいつまでも教えてもらう立場ではいれない。あなたは自分で考え判断する立場になっているし、それを期待して拠点長にした。また、拠点長は総じて優秀な社員が多いため“ユニット経営戦略”は良く考えられたものが多く、経営側もほぼ承認している。ただそんな拠点長でも、最後までその戦略をやり抜ける人は多くはない。戦略の良し悪しより、やり抜く力を期待している。」

 

私はその言葉を聴いて、戦略が承認されただけでほっとしている自分が恥ずかしく、改めて自分の認識の甘さに気づきました。また、自身が求められている役割が明確になり、その後の職業人生でも重要テーマとなりました。

そのエピソードで感じたこと、そのエピソードを通じて学んだことは何ですか?

「やり抜くことの難しさと大切さ」です。

現在も仕事をするうえで大切にしていることですが、上記のエピソード後にリーマンショックがおこり

派遣業界も更に厳しくなる中で、「仮説をたて信念を持ってやりきること」が本当に難しく、だからこそ大切なことであると何度も痛感させられました。

現職でも多くの経営者や管理職の方とお会いし、企画提案していくことが多いですが、自身も管理職として悩みながらもやり抜いた経験が、少なからず役に立っていると感じています。

迷った時、悩んだ時、何かを変えたいと思ってこのサイトを見る人材ビジネスに携わる方々に 元気と勇気が湧くような激励の一言メッセージを是非お願い致します!

社会人を続けていくと、誰でも「初めてのこと、先達がいないこと、苦手なことなど」に挑戦する機会がおとずれると思います。

私自身不器用で、結果が出るまで時間がかかることも多々ありますが、周囲の助けを借り粘り強く“やり抜く”ことで、結果だけでなく自信に繋がり、自分なりの信念を持って仕事に取り組めるようになりました。同業界に働く皆さまともこの厳しさや楽しさを分かちあい、人材サービスで社会に貢献したいと考えていますので、是非一緒にやり抜きましょう!!

常に新しいことに粘り強く取り組む性格は、過去の経験からしっかりと培われています。現在は企業様の従業員に向けたキャリア支援商品を担当しており、顕在化されていないニーズに対して、仮説を組み立て、提案することで多くのご依頼をいただいています。今後もチャレンジ精神を持ってがんばってください。                           (藤岡 謙之/上司)

中尾 道代

株式会社九電ビジネスフロント キャリア支援事業部キャリア支援グループ

人材派遣・紹介業界で16年間勤務。

2012年より株式会社九電ビジネスフロントに入社。求職者への就職支援に加え、就業中の従業員に対するキャリア開発支援に繋がるセミナーや制度の導入提案を担当。

更新日時:2016年08月

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