私たちの活動 事例紹介・インタビュー

求職者が自身では気付かない能力・価値を見い出し、求職者の不安を我事のように受け止めること。 求職者の立場に立って、目先のことでなくその方の将来・目標の手助けとなることが、我々の使命だと思っている。

2015.10.20

人材ビジネス業界で働いてきて、心に残っているエピソードは?

C氏は、Uターン転職を目指すために当社にてカウンセリングを行った。当時、大手電子機器メーカーで技術開発職に3年携わる。C氏がUターン転職を希望していた理由は、長男ということもあり将来的に両親の面倒をみたいため良い求人があれば早めに活動をしたいとのことだった。しかし、実務経験は3年程度のため本人も今のタイミングで転職すべきか悩んでいた。しかも現職には何も不満はない。
その状況で相談に来られたC氏に「転職するにはまだ経験がない。自身の強みも固まっていない。もう少し経験を積み、自身の強みを説明できるようになってからUターン転職の活動をすべき」と早期の転職活動を思いとどまらせた。
まずC氏にお願いしたことは、「何がしたいか。何ができるか。」自分自身の棚卸しを行うこと。
その1年後に、C氏が具体的に活動をしたいと連絡があり、メールや電話、応募書類の書き方、スカイプを使用しての面接訓練等とC氏とのコンタクトの頻度を高めていった。
その後、2ヶ月程度でスムーズに内定通知までに至った。
しかし、C氏へその連絡をしたところ、「内定辞退も考えている。迷う。」との相談があり、決断できない理由としては、現職には不満がなく転職した場合は年収が下がる。(それは以前から把握していた)現職では責任ある業務を任せてくれるようになってきた。転職することが不安・・・といった内容であった。
決断できないのは、待遇面よりも新しい企業・職場で将来やっていけるかの不安が大きく占める。面接でも非常に厳しい質問があり、余計に不安を煽られた。
再度、地元に戻りたいというC氏本来の考えに立ち戻り、改めてカウンセリングを行った。その際、「辞退することをきつく諌める」のではなく、兎にも角にもC氏の気持ちを大切に受け止め、思っていること悩んでいることをすべて声に出して言っていただいた。
それにより、C氏は気持ちを入れ替えることができたようで、やはり最初の自分の目標や地元で成したいことを達成するように計画していくと心に決め、入社承諾の結論を出せた。
今や、C氏は転職した企業にて加工技術者として活躍しており、チームにてリーダーシップを発揮している。また、企業内陸上部では駅伝選手として県内大会や実業団大会に参加して選手としても優秀な成績を収めている。そして、両親とも同居し将来に向けての計画を家族で相談しながら進めているようだ。

そのエピソードで感じたこと、そのエピソードを通じて学んだことは何ですか?

当然だが、いつでも求職者の立場になり本音を聴きだすことで転職活動の結果はもとより、本人の人生も決まる。コンサルタントとして、成立率等を求めるのではなく、求職者の不安をコンサルタントも自分ごととして捉える必要があるということ。

人材ビジネスで頑張る皆さんへー激励メッセージ

私たち人材ビジネスに携る者は、常に倫理観を持たなければなりません。
私たちの使命は、求職者の方々が自身では気付かない能力・価値を私たちのコンサルティングによりその可能性に気付かせることにもあります。私たちの都合でなく、常に求職者の立場で、目先のことでなくその方の将来・目標の手助けとなれるよう自分の職業に誇りをもつことが大切だと考えます。

原 田 健

アビリティーセンター株式会社人材協認定“人材紹介コンサルタント”資格者

総合人材ビジネスとして、人材紹介、労働者派遣、業務委託などの経験13年。 徳島オフィスリーダー後、現在は企業法務を担当のほか紹介コンサルタントも担っている。

更新日時:2015年10月

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